空を閉じ込めた箱。
気まぐれすぎる管理人の狭い狭い箱庭。
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ななたば まつり というとそんな名前の誰かがいるような気がしてならない。
前回より短いスパンで生徒会が帰って来るぞー!
覚えていた奇跡。次がのびのびのフラグぴこーん。

そんな感じで、続きは続きで。




明日生徒会の集まりがありますと担任から聞いたのが昨日のことだ。
選挙の後の顔見せから早一週間。鬼の生徒会と言うだけあって、始動も早い。
「別にそんなことはないと思う」
自分の考えを述べてみたところ、いやいやとすっぱり否定されてしまう。
「今までの生徒会だったら毎日活動でもおかしくないらしいし。やっぱり、会長が『ああ』だから適当なんじゃない」
「『ああ』ねぇ……」
先週の会議室から出て行った背中を思い出す。直結する感情は「頼りない」。あの後にクラスの面々に会長のことを話してみたところ、「やっぱりな」ということで満場一致だった。どうも突如としての反抗期ではなく、元からああいう性格で、その性格そのままに立候補したうえに会長として当選したらしい。僕が投票側なら絶対に不信任として会長にはさせないのに。この先の未来に苦労しか見えなくなった。
「生徒会の活躍、期待してる」
放課後クラスの面々は「あの会長が何をしでかすか教えてくれよな」とみょうちきりんな期待と共に帰っていく。それに比例して僕の精神はがりがりと削られていくのだ。
しかし初めての生徒会活動だというのに掃除当番だということで少し時間より遅れて生徒会室の前に立った。初日からこれじゃ、僕も会長のことばかり言ってはいられない。不可抗力とはいえそれもきちんと見通せるようにならないと。
生徒会室に入るのは初めてだ。外からドアの上についている「生徒会」のプレートを見たことはあっても、中を見たことはない。生徒会以外の生徒は基本的に知る由もない空間だ。少し緊張して、ノックをして、……。
10秒ほど。返事は帰ってこない。
「失礼します」
声をかけてごろごろとなめらかとは言い難い引き戸を開ける。会議室とまではいかないが、一学年分の担任・副担任・学年主任と教頭校長あたりを入れて会議ができる程度の広さの教室だ。だが現在問題になるのは、教室の広さなんかよりも中には誰もいないってことだ。
「一体、どこに……」
そこで入って右手側の黒板にお世辞にも上手いとは言えない文字でこう書かれていた。
「体育館裏に集合」
プラス、地図。この春入学した僕にとっては難解な地図だった。幸いなことに「探検しようぜ!」とか言ったどっかの誰かのおかげで行ったことがある場所だった。これが宝の地図なら、誰にも見つからないのかもしれない。
再度移動。これでまたいなかったらもはやおちょくられているとしか思えない。
だがそれは杞憂に終わり、目的の場所が近付くにつれ、ぞりぞりとあまり聞きなじみのない音が聞こえてくる。姿が見えた瞬間、どこかの部活動での作業かと首をかしげた。先ほどから永続的に聞こえる音はのこぎりで竹を切っている音だったらしい。竹は割と細めのものだ。今は切られて横になってはいるが、生前の高さはそれなりのものだっただろう。1メートルほどの幅に切られたものがあたりに散乱していたので、最長の姿を僕が拝むことはなかった。のこぎりががくんと揺れ、竹が切れる。音が消えたその隙に僕は話しかける。
「会長ですよね」
切れた竹は奇麗には切れておらず、いわゆる昭和の沢庵ギャグのように薄くつながっていた。それを引きちぎりながら彼は言う。
「そう。お前は……」
「副会長です」
生徒会員の顔くらい覚えておいてくださいと言おうとしてやめた。あの日会長は他のメンバーの自己紹介の前に帰ってしまったわけだし、覚える機会などない。
「こんなところで何やってるんですか?他の人たちは?」
「帰した」
「……帰った!?なんで止めないんですか。生徒会としての活動なんでしょう!」
「違う、帰した。そこまで本気になるような活動でもないだろ」
会長は言いながらまた竹を切り始める。
「本気になるような……って、本気でやれるからこそ、生徒会として立候補した人たちでしょう」
「今日の活動はさして重要なものじゃない。人手も十分。お前も帰りたいなら帰ったら?」
「周り、誰もいませんけど」
「そりゃ俺一人だから」
「それを『十分な人手』とは言いません」
「人だけ多くても動くやつがいないならただの無駄だ」
会長は言う間にも手を動かし続ける。話すついでに作業をしているわけではなく、作業のついでに僕と話しているといった雰囲気だ。
「何したらいいんですか」
帰るという選択肢はなかった。僕のプライドがそれを許さなかったし、何よりこいつを野放しにしておくのは危険だと警笛が鳴っていた。
「そこにある竹、生徒会室に運んでくれると助かる」
「いつからやってたんですか。相当山になってますし」
「気付いたら溜まってた」
「生徒会室ですね。解りましたよ」
「持っていったら生徒会室で待ってるか帰ってくれ。俺も行く」
「どれだけ信用がないんですか。帰りませんよ」
全部を持っていこうとしたが、ばらばらになってしまうのでなかなか難しそうだ。
「残ってるのは俺が持ってくから、持っていける分だけ持っていけばいいぞ」
「そ、そうですか……」
悔しいような恥ずかしいような。結局少しだけその場に残して生徒会室に竹を運び込んだ。よく見ると部屋の片隅に同じくらいの長さに切られた竹が置いてあった。昔からあるものかもしれない。一つの考えを振り払った。
「帰ってなかったのか」
「帰らないって言ったじゃないですか」
「こっから先は俺一人で十分だからな」
「さっきからずっと一人でやっていましたよね。なんですか、その麻ひも」
「職員室で借りてきた」
「そうじゃなくて」
「すだれを作ろうと思って」
「……すだれ?」
「見たことないのか?」
「それくらいありますよ。でもああいうのは買うもので、作るものじゃないはずです」
「適当にぐるぐる巻いてけば、割と簡単にできる。けどこのくらいの竹じゃ一つ分作るので精いっぱいってとこだろ。だからもう十分。帰れ」
「少なくともすだれを作るんだったら両端を巻く必要がありますよ。このくらいの長さなら、真ん中も巻く必要もあると思います。だから僕が反対側を手伝いますよ」
「……まるで作ったことあるような言い草」
「あるわけないです。でも大体、そんな感じでしょ」
「じゃあもう一つ麻ひも、もらってくるか」
自らが手にしていた麻ひもをその場に残して、会長は生徒会室を出た。
仮に、このまま僕が帰ってしまったらどうなのだろうか。きっとこの会長は怒ることもなく、ただ黙々と作業を続けるのみだろう。実行したところで僕がむなしくなるだけだし、何より僕はそんな卑怯な真似はしない。すだれを編んだ経験などないが、見よう見まね、そしてできるだけ丈夫になるようにと巻いていく。少しすると会長も戻ってきて逆の端から同じように巻いていた。会長のほうがスピードは速かったが丁寧さには欠けた。なんだか少しいらいらした。
「なんですだれなんですか。必要だったとしても買ったほうが早いのに……」
「学校の裏、見たことあるか?」
「竹林がありましたね」
「ほっとくとそのまま増えるからな。校長が定期的に切ってるんだ」
「昔話みたいでお似合いですね」
「切った竹、無駄だろ」
「もしかしてたったそれだけの理由で作ろうだなんて思ったんですか?」
「ゴミとして出すには割と立派な竹だしな。勿体ない。どうせ生徒会って言ってもやることが山のようにあるわけじゃない。個人だって毎日が暇なわけじゃないんだ。出れる日は出て、出れない日は出なくていい。それを言うために今日は集めた。お前、真面目なくせに遅刻してきたから、ややこしいことになった」
「こっちだって掃除があったんです。多少は不可抗力として認めてください」
「基本的に活動は毎日……ただし、個人の都合がつく日に限る。俺は基本的に毎日いるつもりだから、暇があるんだったら放課後に生徒会室に来ればいい。以上」
「……会長一人じゃ、危なっかしくて任せていられません」
「そうか」
「だから僕も活動がある日は参加します」
「……そうか」
空はまだまだ明るかったが完成したころには驚くような時間だった。よくよく見れば、空の端っこに軽く星が見えた。完成したすだれ片手に会長が廊下に出る。生徒会室から出る瞬間目に止まったカレンダーで今日の日付を思い出す。
「今日は七夕ですね」
「願い事でも下げてきたらどうだ」
「実は僕のこと、子供扱いしてるんでしょう」
「それなりに後輩扱いはしてるつもり」
「願い事をするなら『会長が真面目になりますように』ですかね。会長は?」
「そうだな……」
会長はガラス越しに空を見上げて言う。
「『来年も晴れますように』、か」
「うわ、キザっぽい」
「うるさい」
会長はまるで空が見えなくなるように、見ていた窓にすだれをかけてしまった。夕陽の赤色が影と混じり、よく見えるようになった。
後日ほんのかすかなこの日陰で休んでいる生徒を見かけた。会長の本当の目的が垣間見えた気がした。




シーズン的に七夕なので有効活用すんべーと前回思って、ギリ実践。
ようやく会長が出てきたり代わりに悪友フェードアウトしたり。
丁度すだれのくだりを書く直前に「というかすだれって手作りできんの?」と疑問に思って調べたらなかなか出てこなくて路線変更しなきゃいけないかと焦った。
最終的に見つかったからよかったよかった。
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Author:花音 梨乃
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